サンタもいろいろ

最初の記事でも書いたブックサンタ用の本を今もまだ考えている最中の為、クリスマスやサンタの文字列が見えると気になる今日この頃、神話学者さんのツイートがバズっているのが目に入りまして。

 なんだか無防備だな?!はしゃいでますか大丈夫ですかと思っていたら、後からちょっと濃いめなツイートも追加になりました。

FGOの場合、世界観や設定自体が神話のキャラクターも実在の人物も何でもかんでもぶち込んだ闇鍋ごった煮状態らしいのは見てとれる(未プレイ故「お噂はかねがね…」の立場からの見方)ので、カルナサンタがアウトならもう全部アウトになってしまいそうな気がするのだろうなとは思いつつ、何も知らない人にはそんな設定自体も不敬ってことになりそうな気もしつつ、レヴィ=ストロースの火刑にされたサンタクロース論はこれですね。

honto.jp

内容についてはレヴィ=ストロースの『野生の思考』が「100分de名著」で取り上げられた際の要約をNHKテキストビューで読むことができるので、概要を把握するのはそんなに難しくはないかと思われます。

textview.jp

「この死者の霊をあらわした異形の存在たちに、さまざまな贈り物(お供物)をあたえてご機嫌を取り、お引き取りいただくことによって、ふたたび世界のバランスを回復しようとする祭をおこないました。」にあるような「異形の存在」としてのサンタクロースのイメージは節分の鬼が出てくるのもごく自然な流れになるわけですが、ここはピンと来ている人はあまりいなさそうな気配。

 この辺り、日本で言うなら、時期的にも節分の鬼よりはナマハゲの方が近いかなと思っています。今はなんとぴったり大晦日に登場してくるキリの良さ。他にも日本で12月恒例の「死者に扮した仮面の神々」的な人達が町中を練り歩く的なものと言えば『忠臣蔵』も外せないのではないかなと。紅白歌合戦三波春夫の『長編歌謡浪曲 元禄名槍譜 俵星玄蕃とか、最高じゃありませんか。

とはいえ、今も一般的なサンタクロースのイメージであろう、ディジョンで焼かれた「アメリカ風の「サンタクロース」」と異界の異形の存在をパチっと繋げて考えるのは、更にそれをFGOのカルナから連想するのは色々と難しいところがありそうです。太陽神の子カルナと神の子キリストのイメージを繋げる方がずっと簡単な気がするような…。

 

でもこの際なのであくまで死者が町中をうろつくクリスマスのイメージを強く前に出した今も人気な作品をふたつ。

まずは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』。(ディズニープラスで配信中)『火あぶりにされたサンタクロース』を読んだ後だと、ハロウィンとクリスマスがごちゃまぜになったあの様子が実は古風なクリスマスでサンタクロースなのかもしれません。

もう一つはど鉄板、ディケンズの『クリスマス・キャロル』。真面目に映像化したものは山ほどあるので、ここは少し捻った怪談調の『ドクター・フー』シリーズ1第3話「にぎやかな死体」を。(今はプライム特典無しのレンタル)

www.amazon.co.jp

後はおまけにディケンズとクリスマス繋がりでもう一作。英文で申し訳ない。死にかけのファーザー・クリスマスを前に一発かますディケンズがかっこいいやつです。

www.gkc.org.uk